経営
金融機関による事業性評価
既にご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、近年、金融機関は、監督官庁である金融庁から、融資等の取引検討の際に、決算書等の数値や担保・保証だけでなく事業性評価と呼ばれる企業の事業内容や将来性等の評価も行うことで企業の実態を適切に把握し、取引検討の判断を行うことが求められています。
また、金融機関は、金融庁から、実際に事業性評価に基づく融資を行っている与信先数や融資額、それらの全体に占める割合等に基づく金融仲介機能の発揮状況の評価とその公表も求められています。
具体的な評価項目については、多くの金融機関が公表していませんが、百五銀行がその評価に使用するシートの項目を公表していますので、こちらで紹介させていただきます。
・会社概要
・組織図
・ビジネスモデル(商流・収益の源泉・部門別採算)
・内部管理モデル(業務フロー・収益等管理状況)
・市場と競合環境(価格競争力・差別化・独自性)
・財務、資金繰り、借入の状況
・設備投資計画
・強みの把握
・経営者
・経営課題と経営方針
・経営計画の概要
これらの評価項目を見てみると、従来の融資判断に使われていた決算書数値や担保・保証額といった数値で表すことのできないものも評価の対象となっており、現時点では数値的に厳しい状況にあっても、会社の置かれた環境を把握した上で今後の戦略等を考えられている経営者の方にとっては、よい材料になるのではないかと思われます。
また、金融機関からの融資を考えられていない経営者の方にとっても、今後の経営方針を決定したり経営計画を策定したりする際に、これらの評価項目を参考にして自社の強み・弱みを把握することは有用かと思われますので、このような視点を念頭に置きながら経営をしていってみてください。